裏金を着服しても悪びれない「丸川珠代」 自慰史観〝愛国ポルノ〟満載の「百田保守党」 粗忽な人たちと日本の恥【適菜収】 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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裏金を着服しても悪びれない「丸川珠代」 自慰史観〝愛国ポルノ〟満載の「百田保守党」 粗忽な人たちと日本の恥【適菜収】

【隔週連載】だから何度も言ったのに 第57回

百田尚樹

 

■トンデモ本『日本保守党 日本を豊かに、強く。』

 

 初版から第9刷にかけて少なくとも50カ所以上の修正を重ねたトンデモ本『日本国紀』を生み出した元作家の百田尚樹と編集した有本香の究極のバカコンビが、今度は『日本保守党 日本を豊かに、強く。』なる本を出した。私は日刊ゲンダイで「それでもバカとは戦え」というコラムを書いているが、そこで紹介するため、近所の本屋さんに買いに行った。エロ本をレジに持っていく中学生みたいな気分になり、店員のお姉さんとは目を合すことができなかったが。

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 私がその旨、SNSに投稿すると、「愛国ポルノなんだからエロ本と同じ」という反応があった。たしかに自慰史観満載。百田は《歴史も知らないし、国家観もない。いまの国会議員はそんな連中ばかりです》などとイキっていたが、百田自身が「歴史」「保守」「政治」について無知丸出し。昔からあるネトウヨネタを使い回しているだけ。書籍の帯には《愛する日本を守りたい!》とある。じゃ、なんで、反日カルトの広告塔で、国家主権を棚上げし、権力を私物化し、悪事の限りを尽くした安倍を礼賛していたんですかね? 頭悪いんですかね? 安倍と周辺一味、統一教会、Dappi……。いろいろ追い詰められてきましたが、この類のチープな愛国ビジネスも、そろそろ終わりにしたいものですね。

    *

 一時期よりだいぶ少なくなったが、いまだに安倍を保守だと思い込んでいるバカもいる。先日、ネトウヨがSNSで「安倍さんを批判するのは左翼だ」と絡んできた。じゃ、亀井静香も村上正邦も西尾幹二も一水会も左翼なのか? あの類の連中の思考回路が謎すぎる。

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 百田の漫談というか、オナネタは続く。

《そのなかでなんと言っても強く感じたのが「日本人はなんて素晴らしい民族なのか、世界最高の民族だ」ということです。これほど誠実で優しく、勤勉で、嘘をつかず、物を盗らず、争いを好まない民族は他にはいません》

 安倍の周辺だけを見ても、非誠実の嘘つきだらけ。パンツ泥棒に公金泥棒、火事場泥棒までいる。

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 面白かったのは以下のくだり。

《民政局のメンバーは「どうやって作ったらええかわからへん……」となってどうしたか――。二十五人が都内の図書館でアメリカの独立宣言文やドイツのワイマール憲法、ソ連のスターリン憲法などを必死に調べて、そこから「この文章もらい」「この文章ももらい」「あ、こっちも」と都合のいい文章をコピー&ペーストして草案を作ったのです》

 百田のトンデモ本『日本国紀』は、ウィキペディア、新聞記事、関連書籍、ネット上のまとめ記事からの膨大な無断引用が発覚。百田は《しかしウィキから引用したものは、全体(500頁)の中の1頁分にも満たないものです》と開き直ったが、そもそも量の問題ではない。なお、その後の検証でコピペとされる部分は3%に達している。

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 百田の右手は止まらない。ついには「東大出のバカども」という節で、自分が嫌いな国家議員の名前を挙げ、《「ノブレス・オブリージュ」という言葉があります。身分の高い者はそれに応じて果たさなければならない社会的責任と義務があるという、欧米社会における基本的な道徳観を刺した言葉です》と述べていた。ちなみに百田は以前にこんなツイートをしていた。

《僕の若い頃、ビジネスホテルには100円入れるとエロビデオが見れる機械があった。その100円を入れる穴に針金を突っ込んで上手く操作すると、タダで見れた。だから出張に行くときは針金は必需品だった》

 ノブレス・オブリージュがどうしたって? 100円くらい払ってから言え!

 

文:適菜収

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  • 目次

はじめに−−「B層」とは何か?

✳︎

第一章 内田樹と『日本辺境論』

辺境と偏狭

プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神

B層グルメと某評論家

B層という言葉が出てきた経緯

なぜ日本はこんなことになってしまったのか

ルース・ベネディクトの『菊と刀』

安倍晋三の行動原理

学問のブレイクスルー

マイケル・ポランニーと暗黙知

百人一首を暗記する意味

「型」を知るということの贅沢

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第二章 自立を拒絶する人たち

白井聡の『永続敗戦論』

終戦記念日という欺瞞

冗談は櫻井よしこさん

「サヨク」と「保守」の自己欺瞞

「主権の欲求不満」の解消

 ✳︎

第三章 「正義」を笠に着る人たち

ウクライナ首都の名称変更は「正義」なのか?

「人間は見たいものしか見ない」

社会的リンチというB層の「正義」

人種問題における「正義」の暴走

「ルッキズム」批判は「正義」なのか?

言葉狩りは「正義」なのか?

若年層に選挙権を与えるのは「正義」なのか?

山本太郎と「正義感」について

 ✳︎

第四章 陰謀論に走る人たち 

「無知の知」と「無恥の恥」

不道徳としか言えない果物屋

「維新に殺される」

新型コロナは「バカ発見器」でもあった

ひっくり返って駄々をこねる老人たち

Yahoo!ニュースのコメント欄

知識はあるけど教養がないバカ

デマは言論の自由にあらず

社会の変化は元には戻らない

99%の人が知らない話

✳︎ 

第五章 無責任な人たち

安倍の次は維新に騙されるB層

メディアの劣化が止まらない

大阪都構想のデマと事実隠蔽

総選挙で湧いてきたB層

✳︎ 

第六章 恥知らずな人たち

飼い犬の遠吠え

安倍晋三の本質を映し出す一枚

ツッコミ待ち政治家だらけの国

日本の崩壊に気づいていないB層

日本最大の権力者は「改革バカ」

「ジューシー」発言は外部の拒絶

悪意なく嘘を重ねる人々

カルト化した自民党広報本部

百田尚樹の「歴史改ざんファンタジー」

日本人は悪に屈したネトウヨ用語を使い騒ぎ出した元首相

✳︎ 

おわりに−−人間は過去を忘れ野蛮は繰り返される

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適菜 収

てきな おさむ

1975年山梨県生まれ。作家。ニーチェの代表作『アンチクリスト』を現代語にした『キリスト教は邪教です!』、『ゲーテの警告 日本を滅ぼす「B層」の正体』、『ニーチェの警鐘 日本を蝕む「B層」の害毒』、『ミシマの警告 保守を偽装するB層の害毒』、『小林秀雄の警告 近代はなぜ暴走したのか?」(以上、講談社+α新書)、呉智英との共著『愚民文明の暴走』(講談社)、中野剛志との共著『思想の免疫力 賢者はいかにして危機を乗り越えたか』、『遅読術』、『安倍でもわかる政治思想入門』、『日本をダメにした新B層の研究』(KKベストセラーズ)、『ニッポンを蝕む全体主義』『安倍晋三の正体』(祥伝社新書)など著書50冊以上。「適菜収のメールマガジン」も好評。https://foomii.com/00171

 

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